不動産購入後にやることリスト② 忘れたころにやってくる不動産手続き【新築住宅購入者向け】

はじめに|「あとからやってくる手続き」って意外と多い

住宅の引き渡しが終わると、ようやく一息…と思いたいところですが、本当の意味で“落ち着ける”のは数ヶ月〜1年後かもしれません。

「あれ?これって手続き必要だったの?」
「なんで今さら通知が来たの?」

そう戸惑う方が非常に多いのが、「購入後しばらくしてやってくる不動産関連の手続き」です。

この記事では、**新築住宅を購入した人向けに、“引き渡し後すぐではなく、忘れたころにやってくる重要な手続き”**を厳選してご紹介します。
※第①弾(引渡し後すぐにやること)はすでに解説済みなので、今回はあえて除外しています!


1. 不動産取得税の通知と軽減申告【県税】

✅ いつ届く?

→ 早ければ引き渡しから6ヶ月後〜1年後に、県税事務所から納付書が届きます。

✅ よくある誤解

「新築なんだから免税になるでしょ?」
→ 残念ながら、軽減申告しないと満額課税されてしまいます。

✅ 新築住宅の軽減措置(例)

  • 建物の課税標準から1,200万円控除

  • 土地についても面積等に応じて控除あり

👉 対応が遅れると、数十万円の税金が発生します。納付書が届いたらすぐ動こう!


2. 表示登記・保存登記の内容確認

登記内容の確認をしないまま過ごしてしまう方は意外と多いです。

✅ 表示登記:建物の「所在・構造」などを法務局に登録する(義務)

✅ 保存登記:自分名義の「所有権」を登記する

工務店や司法書士が代行してくれていることがほとんどですが、以下は必ず確認すべきポイント

  • 名義人が間違っていないか(夫婦で共有の場合の持分など)

  • 住所表記に誤りはないか(住民票の住所と一致しているか)

  • 融資銀行の抵当権が正しく設定されているか

👉 将来の売却や相続、住宅ローン控除の際に不備があると再登記が必要になることも。


3. 都市計画道路・隣地境界の現地確認と資料保管

✅ 「買ったとき見たから大丈夫」は油断禁物

  • 都市計画道路の予定区域に入っていないか

  • 隣地との境界に境界標があるか

  • 測量図・境界確認書の原本が手元にあるか

こうした**“境界・用途エリア”の情報は、購入からしばらく経ってからこそ、しっかり整理しておきたい**ものです。


4. 家屋調査(市役所からの訪問)

✅ 引き渡しから数ヶ月後、市の職員が現地調査に来ます

  • これは固定資産税の評価額を決定するための現地確認

  • 対象は新築住宅(=建物に課税されるのが初年度のため)

👉 放置すると固定資産税が不適切に課税されたり、優遇措置が反映されないことも。

📌 対応時には、建築図面や登記情報を用意しておくとスムーズです。


5. 長期優良住宅・フラット35Sの書類保管・活用

購入時に「長期優良住宅」や「フラット35S適用住宅」として手続きをした人も多いはず。
でも――

「あの証明書、どこ行ったっけ…?」

という声は非常に多いです。

✅ 保管すべき書類例

  • 長期優良住宅 認定通知書

  • フラット35S 適合証明書

  • 住宅性能評価書(設計・建設)

これらは、将来の売却・改修・助成金申請で必要になります。


6. 火災保険・地震保険の更新管理(10年後にくる)

今はまだ「契約したばかり」で安心していても、10年後には火災保険が満期を迎えます。

  • 火災保険は10年契約が主流

  • 地震保険は5年契約(2年で契約している人も)

👉 満期を過ぎると「無保険住宅」になってしまうため、満期時期を家計簿やスマホで管理しておくと安心!


7. インフラ・外構・設備関連の通知や点検

✅ 購入から2〜3年後にありがちな通知

  • 浄化槽:保守点検・清掃義務(年1回)

  • プロパンガス:安全点検やメーター交換案内

  • 外構工事:保証切れ直前のメンテ案内

👉 こうした通知を放置しないだけで、10年後の修繕費が激減することも。


8. 将来のためにやっておくべき“登記情報”の整理

✅ 氏名変更・住所変更の登記は義務ではないが…

  • 結婚・転職・転居などで変更が生じると、

  • 将来売却や相続の際に“追加書類”や“本人確認の手間”が増える

👉 時間と費用がかかる前に、住所・氏名の登記変更は早めに検討しよう。


9. 売却・相続・名義変更の備えとしてできること

これも「今すぐやること」ではありませんが、新築を購入したタイミングだからこそ、

  • 登記簿謄本をコピーしておく

  • ローン残高と物件価格のバランスを年1回確認する

  • 相続登記義務化(2024年施行)に向けて準備する

といった**“未来への備え”**をしておくのがおすすめ。


📝 チェックリスト|「引き渡し後しばらくしてやること」編

✅チェック 内容
不動産取得税の納付と軽減申告
表示登記・保存登記内容の確認
境界標・用途地域などの資料整理
市役所による家屋調査の対応
長期優良住宅・フラット35S等の書類保管
火災・地震保険の満期日を管理
浄化槽・ガス・外構などの設備点検通知対応
登記情報(住所・氏名)の整理
売却・相続に備えて登記簿とローン残高の管理

 

 

📌まとめ

最初の数ヶ月でやる手続きは多くの人が意識していますが、
3ヶ月後、半年後、1年後に届く通知や忘れがちな登記情報は、みなさん本当に油断しやすいんです。
でも、ここをきちんと押さえておくことで、将来の売却や相続、ローンの見直しもスムーズに進められるので、きちんと準備をしておきましょう。

 

ブログ監修:日比幸平

保有資格:宅地建物取引士・ファイナンシャルプランニング技能士2級 他

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